規制

【2020最新版】ドローンを飛行させる前に知っておくべき法律「航空法」を徹底解説!

ユイ
ユイ

旅行にドローンを持っていきたいけど、どこでも飛ばしていいのかな?

エリカ
エリカ

ユイちゃんダメよ!
ドローンを飛行させる時には注意しなければならない規制があるの。

ドローンの飛行に関する規制を覚えようと思っても、どの規制を、どこからどこまで覚えれば良いのか、自分で調べるのが大変という人もいると思います。

という事で今回は

  • ドローンにおける航空法の解説
  • 規制の中でドローンを飛ばす方法
  • ドローンの規制を違反した場合

この3点を中心に解説していきます。

航空法とは

バッテリーを含めた機体総重量200g以上のドローンを飛ばす際に、規制の対象となるのが航空法です。

航空法では大きく

  • 「飛行禁止空域」
  • 「飛行のルール」

を定めており、それぞれ細かい規制があります。

飛行禁止空域

まずは「飛行禁止空域」から見ていきましょう。

次の3つの空域が規制対象となります。

該当する空域でドローンを飛行させる場合、事前に空港事務所長または地方航空局長の「許可」が必要になります。

空港等の周辺の上空の空域

進入表面、転移表面、円錐表面の上空の空域、進入表面がない飛行場周辺の航空機の離着陸に影響を与える恐れのある空域が該当します。

言葉は難しいですが「航空機やヘリの離着陸に影響を与えるかもしれない空域は禁止」と覚えましょう。

下記をクリックでページに詳細が記載されているほか、全国の進入表面等の設定状況が確認できます。

詳しくはこちら

人口集中地区の上空

総務省統計局が5年ごとに実施している「国勢調査」の結果に基づいて設定されるのが人口集中地区(DID地区)です。

5年ごとに変わる可能性があるため、最新情報を常に入手しておく必要があります。

人口集中地区の設定状況については、下記のサイトで確認できます。

詳しくはこちら

ただし、注意書きがあるように「誤差」が含まれている可能性があります。

境界線ギリギリを飛行させる場合は、十分に注意が必要です。

150m以上の高さの空域

地表または水面から150m以上の高さの空域です。

分かりやすく例えると、山頂から水平に飛ばすと、麓に向かって山の地表は降っているため、徐々にドローンと地表との差が大きくなります。

150mを超えた時点で違反となることがあるため、注意しましょう。

150m以上の高さというのは非常に曖昧ですが、ドローンを飛行させようと思っている空域が「民間試験訓練空域(訓練空域)」に該当する場合、その空域を管轄する管制機関との調整が必要になります。

管制機関の連絡先はこちらのページで確認できます。

詳しくはこちら

飛行のルール

続いて、航空法で規制されている飛行のルールです。

次のルールによらず、ドローンを飛行させることは禁止されています。

  1. 日中(日出から日没まで)に飛行させること
  2. 肉眼による目視の範囲内でドローンとその周辺を常時監視しながら飛行させること
  3. 第三者、建物、自動車等との間に30m以上の距離を保って飛行させること
  4. 祭礼、縁日など多数の人が集まる場所の上空で飛行させないこと
  5. 爆発物など危険物を輸送しないこと
  6. ドローンから物を投下しないこと

上記の6つの飛行ルールは必ず守りましょう。

航空法以外のドローンで意識しなければならない法律をさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参照下さい。

【2020最新版】ドローンの法律・ルールを簡単に解説!新たな規制や航空法とは? 「ドローンに関わる法律は何? どれだけあるの?」 という素朴なギモンを解消するべく、ドローンに関連する情報をまとめ...

この規制に反してドローンを飛行させる場合、事前に地方航空局長の「承認」が必要になります。

以下で詳しく解説していきます。

航空法の規制対象となる場所でドローンを使う必要がある場合

航空法の規制対象となるエリアを飛行させるには、空港事務所長または地方航空局長の「許可」「承認」が必要になります。

それぞれ、どういったケースで、どの申請先に、どのように申請すれば良いのかを解説します。

航空法の規制対象となる場合①

空港事務所長宛に「許可申請」が必要になるケースは、航空法で規制している

「空港等の周辺の上空の空域」

「地表または水面から150m以上の高さの空域」

いずれかでドローンを飛行させる場合です。

最初にお伝えした通り、150m以上の高さの空域を飛行させる場合、その空域が「民間試験訓練空域(訓練空域)」に該当するかどうかを事前に調べておく必要があります。

該当する場合は、許可申請する前に、その空域を管轄する管制機関との調整を行わなければなりません。

国土交通省 空港等設置管理者及び空域を管轄する機関の連絡先については以下をクリック下さい。

公式サイトはこちら

航空法の規制対象となる場合②

続いて、地方航空局長宛に「許可申請」「承認申請」が必要になるケースです。

許可申請

航空法で規制している「人口集中地区の上空」を飛行させる場合、事前に地方航空局長の許可を得なければなりません。

承認申請

先ほどの6つのルール外で飛行させる場合は、地方航空局長の承認が必要です。

具体的には「夜間飛行(日没後)」「目視外飛行」「第三者、物件、財産との距離が30m未満」「縁日やイベント上空の飛行」「危険物の輸送」「物の投下」などが該当します。

申請方法と注意点

許可申請や承認申請が必要なケースを明確にしたところで、続いては申請方法と注意点を解説します。

申請には「個別申請」「包括申請(期間包括申請、飛行経路包括申請)」があります。

個別申請

すでにドローンを飛行させる日が確定しており、かつ経路が単一の場合に行う申請です。

許可が降りやすい分、スケジュールの融通は利きません。

包括申請

空撮、測量、点検などが目的で、悪天候で飛ばせなかったときのことなどを想定して予備日を設けている場合に向いているのが包括申請です。

期間包括申請の場合、最長1年先まで申請できます。

同一操縦士が期間内に複数回ドローンを飛行させる際に適しています。

飛行経路包括申請の場合、同一操縦士が、異なる場所で複数回ドローンを飛行させる際に向いている申請です。

飛行経路は特定できないものの、想定範囲は確定しているという場合も申請できます。

申請方法は

  • 「空港事務所長」
  • 「地方航空局長」
  • 「許可申請」
  • 「承認申請」

いずれのケースも同じで、3通りの方法があります。

オンライン申請

もっとも手軽に行えるのがオンライン申請です。

サイト上で完結するため、特別なソフトや技術、知識などは必要ありません。

申請フォームも用意されているため、書類をダウンロードする手間も不要です。

無料のアカウントを作成し、必要事項を入力します。

このとき、ドローンの機体情報なども登録することになります。

手続きを行うためのガイド、航空法や飛行のルール、よくある質問、ヘルプデスクなど、欲しいコンテンツがひと通り揃っていますので、初心者の人でも確認しながら作業を進めることができます。

オンライン申請に関して詳しく知りたい方は以下の記事を参照下さい。

【2020最新版】ドローン飛行許可のオンライン申請の方法を簡単解説!費用や期間は? ということで今回は、そのドローンの飛行許可の申請や承認手続きをオンラインでする方法などを解説していきます。 早速下記に参り...

郵送

国土交通省のホームページから申請書類をダウンロードして記入し、各申請先に郵送する方法です。

申請書類は14枚程度あるため、慣れている人でなければ、それなりに時間がかかります。

余裕を持って作成し始めましょう。

なお、普通郵便でも構いませんが、国土交通省では簡易書留を推奨しています。

発行された許可証の返送を希望する場合は返信用封筒も同包しましょう。

持参

国土交通省のホームページから申請書類をダウンロードして記入し、それぞれの申請先に直接持参することになります。

空港事務所や地方航空局が近くにある、ロケハンのついでに近くまで行く人は持参でも良いでしょう。

不明点などもその場で確認できるのは利点かもしれません。

受付時間は9:00〜17:00となります(休日については事前に確認しましょう)。

発行された許可証の返送を希望する場合は、やはり返信用封筒が必要です。

郵送または持参を選んだ場合、どういったことを記入するのか、あらかじめまとめておくと良いでしょう。

申請書類に記入する内容は以下のようなものです。

  • 「飛行の目的」
  • 「ドローンの機体情報・製造者・設計図等」
  • 「操縦者の情報・資格・技能証明等」
  • 「飛行マニュアル(点検・整備、操縦者の訓練、安全対策について等)」

国土交通省ホームページにも記入例などがあるので、事前に一通り目を通しておくことをおすすめします。

公式サイトはこちら

地方航空局は、東京航空局と大阪航空局があります。ドローンを飛行させようとする場所によって、次のように分かれます。

新潟県、長野県、静岡県より東でドローンを飛行させたい場合

東京航空局
〒102-0074東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2同号庁舎
東京航空局保安部運用課 無人航空機審査担当宛て
FAX 03-5216-5571
E-mail cab-emujin-daihyo@milt.go.jp

富山県、岐阜県、愛知県より西でドローンを飛行させたい場合

大阪航空局
〒540-8559大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館
大阪航空局保安部運用課 無人航空機審査担当宛て
FAX 06-6920-4041
E-mail cab-wmujin-daihyo@milt.go.jp

なお、飛行させたいと思っているエリアが東京航空局、大阪航空局の両方の管轄エリアにまたがる場合、申請者の住所を管轄する地方航空局に申請します。

例えば、福岡県在住の人が、富山県から新潟県にまたがってドローンを飛行させる場合は、大阪航空局に申請することになります。

注意点

国土交通省では、少なくとも飛行開始予定日の10開庁日前までに提出するように指定されています。

ただし、これは書類に不備がなかったケースを想定してのことです。

不備があると修正が指示され、修正後、再度提出してから10開庁日を見ておかなければならないため、できるだけ早く申請しておくことをおすすめします。

また、窓口が混雑するタイミングでは10開庁日以上かかることも考えられます。

そのため、かなりの余裕を持って申請するよう心がけましょう。

ドローン飛行に関する規制に違反した場合はどうなる?

もしも規制に違反してドローンを飛ばしてしまったら、どんな罰則が待っているのでしょうか?

意外と重いものもあるため、きちんと把握しておきましょう。

各法律や規制に違反した場合の罰則内容とは?

航空法の規制に違反した場合「50万円以下の罰金」が科せられます。

また、小型無人機等飛行禁止法による規制に違反した場合は、より重い「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられます。

電波法による規制に違反した場合は、さらに重い「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(ケースによっては5年以下の懲役又は250万円以下の罰金)」に処せられます。

このように、ドローンの飛行に関する規制に違反すると罰金や懲役刑が科せられることがあります。

「うっかり」

「ちょっとだけなら」

といったことでも、あっという間に前科持ちになってしまい、かつ罰金や懲役といった厳しい罰則が待っています。

実際にドローン規制の違反とされた事例は?

ドローンに対する規制が厳しくなってきた今でも、事故や事件は減っていません。

主に航空法におけるドローンの規制に違反した事例をいくつか紹介します。

2016年
  • 京都府で人口集中地区を許可なしに飛行、それも夜間飛行を行ったとして書類送検
  • 兵庫県の住宅地で許可なしに夜間飛行を行い、民家の駐車場に落下して書類送検
  • 愛知県で人口集中地区を許可なしに夜間飛行を行い、書類送検
  • 東京都で包括申請の期限が切れた後も工事現場を撮影していたとして書類送検
  • 岐阜県でイベント上空を許可なしに飛行、大垣城に衝突させ、落下させたとして書類送検
  • 福岡県で操縦不能となったドローンを高速道路上に落下させたとして書類送検
  • 東京都の花火大会会場付近の上空を許可なしに夜間飛行させて書類送検
  • 埼玉県で駅周辺の人口集中地区を無許可かつ夜間飛行させたとして書類送検
2017年
  • 長野県の花火大会会場付近の上空を許可なしに夜間飛行させたとして検挙
  • 三重県で150mを超える高さ(最終的には440m)を飛行させた動画をアップして書類送検
  • 神奈川県の工事現場にドローンが落下し、作業員が顔に大怪我を負った
  • 神奈川県の人口集中地区を無許可で空撮し、動画をアップ、出頭に応じなかったため逮捕
  • 茨城県で許可を得ずに目視外飛行を行い、墜落させたとして書類送検

このように、意外と事例が多いことに驚いた人もいるのではないでしょうか?

しかし、これが全てではありません。

むしろこれらはごく一部で、ドローンが規制違反した事例は他にもたくさんあります。

多くが、航空法で義務付けられている許可や承認を怠ったことによる規制違反です。

まとめ

エリカ
エリカ

ドローンの操縦は思った以上にリスクが高いものであることを認識しておくことが大切ね。

手軽に手に入り、気軽に飛ばせることから「少しくらいなら」と油断して規制違反してしまうリスクや、規制は知っていても、うっかり違反してしまうリスク、規制に反すれば、罰金や懲役といった前科が待っているわ。
責任感を持ってドローンを飛行させましょう。

ドローンが安全に、健全に発展していくためにも、車の運転と同じように「ドローン操縦士の責任」を自覚して規制を遵守しましょう。

安全性を確保し、対策を講じた上で、楽しいドローンライフが送れるように願っています。

今回の記事の関連記事は以下にあります。
ぜひご確認下さい。

【2020最新版】200g以下のトイドローンにも適用される法規制を徹底解説! ドローンを飛行させる際に最も気をつけるべきは航空法のルールです。 航空法で禁止されている場所や条件でドロー...
【2020最新版】航空法のドローン規制を徹底解説!!絶対に守らなくてはならないルールとは? では早速、これからドローンの購入を検討している方や、飛行経験が少ない方のために、ドローン飛行のポイントを確認していきまし...