【ドローンキーパーソンインタビューVol.14-1】着メロ作りからドローン事業へ。ORSO代表取締役社長 坂本義親氏の着眼点 | DRONE OWNERS ドローンの楽しさを伝えるメディア

【ドローンキーパーソンインタビューVol.14-1】着メロ作りからドローン事業へ。ORSO代表取締役社長 坂本義親氏の着眼点

  • 日付2017.09.06
  • Vol.14は株式会社ORSO 代表取締役社長 坂本義親氏に4回にわたってお話を伺う
  • 1回目の今回は、なぜドローンを事業にしたのか?ドローン事業部の成り立ちについて
  • 携帯電話の着メロ作りやゲーム制作からドローン事業へ。坂本氏の着眼点とそのルーツに迫る

スマートフォンのアプリ開発などを主力事業として、ドローン操縦者向け教育アプリ「DRONE STAR™」のアプリ制作を行う株式会社ORSO。今回は、その代表取締役社長 坂本義親氏に4回にわたってお話を伺う。
IT事業で培った「ユーザー視点」のサービス開発を、ドローンに応用したいと熱っぽく語る坂本氏。1回目の今回は、坂本氏が「もっと面白くなる」と語るドローン事業開始にまつわるエピソードや、これまで手掛けてきた幅広い事業について詳しく伺う。

株式会社ORSO 代表取締役社長 坂本義親氏

株式会社ORSO 代表取締役社長 坂本義親氏

田口まずは株式会社ORSOさんの事業について、お聞かせください。

坂本ユーザー体験をデザインする会社として、ゲームを始めとするスマートフォンを活用したサービスの企画開発やグラフィック制作、CMSなどの各種ソリューションの提供を行っています。
それに加えて、2014年よりドローン撮影による機体テストを行いながら、コンサルティングや映像制作などを行い、2015年末にはJUIDA認定校第1校目となるロボティクスアカデミーの開講、今年4月にはドローン操縦者向け教育アプリ「DRONE STAR」など、ドローンと新たなユーザーの接点ができないか、利活用を進めるにはどうすればいいか?を考えながらドローン事業を行っています。またDJI JAPAN株式会社と弊社の共同出資によって2016年に設立したdo株式会社では、「ドローンで社会を豊かに」をキーワードに、現在はドローン事業者と依頼者をつなげるプラットフォーム「drone marketβ版」を提供しています。

田口メイン事業のアプリ開発とドローンは結びつきにくいように思うのですが、なぜドローンに関する事業を始めたのですか?

坂本ドローンと携帯電話に共通して言えるのは、「その上で遊べるコンテンツがないとユーザーは楽しめない」という意味では同じだと思っていて、これまでのサービス開発やアプリ開発で得たノウハウをドローンにも応用できると感じたからです。

田口本格的にドローンを事業にしようと思った経緯を教えていただけますか。

坂本僕は、2001年から携帯電話のコンテンツやサービスを作るクリエイティブディレクターをしています。その中で、ドローンを使った映像が今後面白くなってくるんじゃないかと思っていました。2014年からテストしながら撮影を行っている時に、JUIDA認定スクール第1校目であるロボティクスアカデミーのオファーを、デジタルハリウッド研究員の高橋さんからいただいたり、Phantom 4の発表会にDJI JAPANの呉社長とマイクロソフト西脇さんと共に登壇させてもらったり、元コロプラ副社長の千葉さんのお誘いで参加させてもらった、慶應義塾大学藤沢湘南キャンパス(SFC)の未来創造塾という授業だったりと、事業というよりも半ば自然発生的に案件が進んじゃうんです。

田口いろんな出会いがあったのですね。

坂本その中でもSFCの授業で、後の「KART(慶應エアリアルロボティクスチーム)」となる学生のメンターをさせてもらったことが大きかったように思います。当時、千葉さんと元DJIの井上さんと共に授業を行っていたんですが、授業の中で2016年3月にドバイで開催される国際ドローンレース「World Drone Prix」があると、井上さんが持ち込みます。初めてのドローンレース世界大会で、賞金が1億3千万円も出る!ということで、予選を勝ち進み、学生であるKARTメンバーを中心に機体準備や渡航資金に奔走しました。実際に出場し、結果としては予選敗退してしまいますが、そこで実際に現地に行ったからこそドローンレースが抱える課題が見えてきたんです。

田口どんな課題ですか?

坂本これは僕が実際に見て思ったことですが、レースが始まってみたら、まず何をしているのかよくわからなかったんです(笑)。段取りの問題は今後解消されるだろうとは思いつつ、関係者としても観客としても、こんなに最先端でいままでにないスポーツなんだから、もっとファンが増やせる仕組み作りができるんじゃないか?と思ったんです。例えば、わざわざその場所に行かなくても、入場料をもらえる仕組みはネットで構築できるし、音楽やARを合わせることでよりエンターテインメント性を高めるなど、ユーザー目線のサービスが実現できるんじゃないかと。このあたりはまだ実現してませんが(笑)。

田口そういった着眼点が、その後のドローン事業に生かされていくのですね。

坂本そうですね。「ここをこうしたらもっと面白くなるのに」という発想です。そんなことを思いながら繰り返していたらそのまま事業になってしまった。それが昨年12月にリリースした「drone marketβ版」や、今年4月に発表した、アプリで楽しみながら学ぶ18gの練習用ドローン「DRONE STAR」などにつながっていく。ドローンはこれから、もっと面白くなりますよ。

田口事業化にあたって、ドローンをどのくらい検証をされたのですか?

坂本とにかくたくさん飛ばしてテストをしたかったので、開始から1年で1700フライト飛ばしました。そのころは改正航空法の施行前でしたが、いろんな場所や環境で飛行しているドローンを実際に見てみないと、自信をもって人に勧められるのかどうかわからないと思っていました。

田口おっしゃる意図はよくわかります。私もドローンをやり始めたころは、とにかく飛ばさなければと思っていろいろな場所で飛ばしました。

坂本そうですよね。実は、2007年に「Adobe Device Central」という携帯電話のエミュレータソフトをアメリカのAdobeさんと一緒に作ったんですね。実際の携帯電話でもコンテンツ(待受画像や着メロ、ゲーム)が想定通りに動作するかどうか品質を確認できる、コンテンツ制作者向けのソフトです。携帯電話はそれぞれ搭載されているチップや搭載されている機能や特性が違うので、このエミュレータソフトがあることで、コンテンツ制作者はさまざまな携帯電話に対応した質の高いコンテンツを作りやすくなりました。
本来なら会社の強味の部分でしたが、当時の僕としては、このエミュレータソフトが土壌を整えることで市場が活性化し、ユーザーさんにとっていいコンテンツがたくさん生まれたらいいなぁと思っていました。ドローン分野においても、機体の特性を把握し、市場を広げて支えていくための取り組みを率先して行っていきたいですね。

田口事業の幅がどんどん広がっていますね。

坂本そう見えるかもしれません。ただ僕自身の中では一貫して、音楽から学んだ、感動体験の作り方だと思っています。音楽は、始まりがあって、緩急があって、盛り上がって終わるという、全体を通した流れがあるんです。音楽もゲームも映像も、そしてドローンも、そこには必ず観客=ユーザーがいて、そのユーザーがどのような体験をするのか?どうデザインするのか?という点で、僕の中で共通していると思っています。

まとめ

坂本氏がルーツである音楽から出発して、携帯電話向けコンテンツ、ゲーム、そしてドローンと、事業の幅を広げながらストイックに取り組み、学んだことを必ず次に生かす姿勢には敬服させられる。
次回はそんな坂本氏と、株式会社ORSOエバンジェリスト高宮氏との出会い、そして高宮氏の人物像にフォーカスする。掲載は9月13日(水)を予定。お楽しみに!

 

■関連リンク

○株式会社ORSO
https://www.orso.jp

○楽しみながら学ぶ室内練習用18gのドローン
DRONE STAR™
https://www.dronestar.jp

○ドローン事業者と依頼者を繋げる
dronemarket
https://www.dronemarket.jp

○do株式会社
https://www.dojapan.co.jp

○DRONE FUND
http://dronefund.vc

○慶應義塾大学SFC研究所
ドローン社会共創コンソーシアム
http://drone.sfc.keio.ac.jp

 

インタビュアー紹介
田口 厚
インタビュアー:田口厚株式会社 Dron é motion(ドローンエモーション)代表取締役
1998年〜IT教育関連NPOを⽴上げ、年間60回以上の⼩学校現場における「総合的な学習」の創造的な学習⽀援や、美術館・科学館などにてワークショップを開催。その後Web制作会社勤務を経て中⼩企業のWeb制作・コン サルティングを主事業に独⽴。
2016年5⽉株式会社Dron é motionを設⽴、IT・Web事業のノウハウを生かしながら空撮動画制作・活⽤⽀援を中⼼に、ドローンの活⽤をテーマにした講習などの企画・ドローンスクール講師、Web メディア原稿執筆などを⾏う。「Drone Movie Contests 2016」 ファイナリスト。
http://www.dron-e-motion.co.jp/

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