【ドローンキーパーソンインタビューVol.8-2】「うちの地域は魅力がない」は思い込み。ドローンで地方創生を目指して | DRONE OWNERS ドローンの楽しさを伝えるメディア

【ドローンキーパーソンインタビューVol.8-2】「うちの地域は魅力がない」は思い込み。ドローンで地方創生を目指して

  • 日付2017.02.15
  • 株式会社クリエイティブホープ 代表取締役会長 大前創希氏の第2回
  • ドローン事業を切り離し別会社を設立した経緯と、2つの事業「空撮」「パイロット育成」について
  • 目指すは「地方創生×ドローン」。地域の魅力を引き出すにはドローンが最適

前回は、大前氏が本格的にドローン空撮を始めたきっかけを伺った。趣味で撮影した広島県竹原市の空撮映像がコンテストで準グランプリを受賞したことが転機になり、ドローン事業を切り離した「株式会社Dron é motion(以下、ドローンエモーション)」の立ち上げへとつながっていく。今回は、ドローンエモーション設立の経緯や、目指す方向性について詳しく伺った。

投資家兼パイロットとして、ドローンエモーションを設立

【田口】私が代表を務める会社のことを大前さんに話していただくのも変な感じがするのですが、大前さんには現在、ドローンエモーションの投資家兼パイロットとして活躍していただいています。ここに至る経緯をお聞かせください。

あるテーマにおいてすごく強いビジネスチャンスがあるとすれば、会社という一本の柱を立てて事業機会を増やしていくことで、チャンスをつかみやすくなると思っています。ドローンはテーマ性が新しく、社会的にも注目を集めている分野なので、既存の会社(株式会社クリエイティブホープ)の一部門よりは、一つの会社としてしっかりアピールできる体制を作ったほうがビジネスに広がりを持たせやすいだろうと考えて、ドローンエモーションを立ち上げました。

株式会社クリエイティブホープ 代表取締役会長 大前創希氏

株式会社クリエイティブホープ 代表取締役会長 大前創希氏

【田口】大前さんとお仕事させていただくようになったとき、投資家として参画しながらパイロットもされるというのは、非常にユニークな方だなぁと思いました。

私が投資家として参画する意味は、ビジネスをスピーディーにするところだと思っています。事業をしながら徐々にカタチを作っていくというやり方もあるのですが、スピードが速いドローン業界の中で、さらにスピードを上げて事業を展開していくとなると、資金を投入してスピードを上げる工夫をしていく必要があると考えました。そのため、ドローンエモーションの投資家として元コロプラ副社長の千葉さんにも参画していただいて、自分以外のいろいろな方からアドバイスを受けたり、関係性を構築するためのサポートをしていただいています。
パイロットとして参加しているのは、空撮が好きだからですよ(笑)。

【田口】ドローンエモーションで行っている事業について、大前さんからご紹介をお願いします。

ドローンエモーションは大きく二つの事業を行っています。一つ目は空撮関連事業。もう一つはパイロットの育成事業です。 空撮に関しては、映像にテーマ性を取り入れて、地域の四季折々の魅力を伝える「四季パッケージ」というサービスを提供しています。ドローンを地方創生に活用したいという想いで開始したサービスです。これは、クライアントの地域を年に4回訪問して撮影するパッケージで、空撮映像だけでなく、マーケティング的な観点からのサポートや方法論、アドバイスなども含んだ包括的なサービスです。空撮に四季を絡ませることで、見た人に土地の魅力がしっかり伝わる映像になるんです。テーマのない映像というのは、何をアピールしたいのかわかりません。四季が入ることで、メリハリがつくんですね。

二つ目のパイロット育成事業は、さまざまなドローン操縦士育成スクールや企業と組んでドローンの基礎知識や安全運航の知識、操縦の技術をレクチャーしています。また、企業がドローンを活用した新サービスを考えるときに、その企業のニーズに合わせたカリキュラムでレクチャーする、企業ニーズに合わせたパイロット育成もしています。

パイロット育成スクールの模様

パイロット育成スクールの模様

なぜ「地方創生×ドローン」なのか?

【田口】ドローンが持つ幅広い活用分野の中で、なぜ大前さんは「地方創生×ドローン」に注目されたのでしょうか?

ドローンを使った空撮を楽しんでいたときに、地域の方が自分たちの地域の魅力に気づいていない場面に何度も遭遇しました。私が講演や出張などで地方に行くと、その地域の方はだいたい「いやぁ、うちはあまり魅力がないからねぇ」とか「ここで人が呼べるかなぁ」とおっしゃいます。しかし、それぞれの土地には、訪れたときに見ることができる素晴らしい景色、四季によって違う魅力を放つ景色があります。そんな素晴らしい風景に出会っていく中で、その地域の方が「うちの地域には魅力がない」と言うことに疑問を持つようになりました。

【田口】確かに僕も、全国各地を出張したときに、それぞれの土地のなにげない景色に感動していると、地域の方によく驚かれます。

竹原市の紹介映像を撮影したときもそうでした。竹原市の方が「ここはあまり魅力的ではないと思いますが、どうでしょうか?」と不安そうに紹介してくださった場所をドローンで撮影してみたところ、強烈な魅力を放つ映像が撮れました。その場でその映像を地域の方に見せたら、「こんなにすごかったのか」と驚くわけですよね。

【田口】「うちの地域はこんなに魅力的だったのか!」と発見するんですね。

そうです、「再発見しました」とおっしゃいます。もともと瀬戸内海は「多い島の美=多島美(たとうび)」という言葉があり、周辺地域ではその魅力を体験してもらうために観光船を出して島巡りを実施しているのですが、多島美そのものの美しさを伝える事は、なかなか難しい。ドローンはそれをいとも簡単にやってのけたという感じです。

 

【田口】確かに、多島美を感じるには空から見るのが一番いいですよね。

そうなんですよ。そういった地域観光のお手伝いをしているうちに、日本にはキレイな場所がたくさんあるにも関わらず、うまくアピールできていないのでは?という疑問を抱くようになったのです。そして、地方の魅力を引き出せていないという現実に対して、ドローンができることはたくさんあるのではないかと感じたんです。

【田口】そういった出来事がバックボーンになって、地域PRを目的としたドローン空撮映像の制作へとつながっていくのですね。

そうですね。地域の方々とお話をしていて気づいたのですが、その土地の魅力が伝わる宣伝写真を持っていないところが多かったのです。自治体の職員の方が撮影した記録映像ならあるのですが、PRに使えるクオリティの映像は少なかったですね。地域の魅力を最大限に引き出す素材をしっかりと集めておくべきだ…というのが「地方創生×ドローン」のスタートラインでした。先日、地上波のテレビ番組で、ドローンエモーションが制作したクリップ映像が地域の紹介映像として使われているのを見たとき、そのことを改めて実感しました。番組の中では、以前に撮影した福岡県東峰村のとてもキレイな景色が映し出されたのですが、東峰村がその映像素材を持っていなければ地上からの紹介映像で終わっていたかもしれません。ドローン空撮映像の可能性は、まだ始まったばかりだと思っています。

まとめ

IT企業経営者であり、ドローン関連企業投資家でもあり、そして自身もドローンパイロットである大前氏。新しい流れやツールを敏感にキャッチし、既存の型にとらわれない、なおかつ合理的な方法でカタチにしていく大前氏のやり方。そのやり方は一見、奇抜に見えることもあるが、目まぐるしく変化するドローン業界にぴったりだと感じた。今後も大いに刺激をもらえる存在であると確信している。 次回はコンテスト上位入賞者でもある大前氏に、空撮動画の撮影から編集、BGMまでの隠れたテクニックやノウハウについてお伺いしたいと思う。次回は2月22日(水)掲載予定。お楽しみに!

また、大前氏が審査員を務めるドローン空撮映像コンテスト「Drone Movie Contests 2017」が作品を募集している。応募締め切りは2月26日と間近だが、ぜひ腕試しに応募してみてほしい。

Drone Movie Contests 2017の詳細はこちらから

 

インタビュアー紹介
田口 厚
インタビュアー:田口厚株式会社 Dron é motion(ドローンエモーション)代表取締役
1998年〜IT教育関連NPOを⽴上げ、年間60回以上の⼩学校現場における「総合的な学習」の創造的な学習⽀援や、美術館・科学館などにてワークショップを開催。その後Web制作会社勤務を経て中⼩企業のWeb制作・コン サルティングを主事業に独⽴。
2016年5⽉株式会社Dron é motionを設⽴、IT・Web事業のノウハウを生かしながら空撮動画制作・活⽤⽀援を中⼼に、ドローンの活⽤をテーマにした講習などの企画・ドローンスクール講師、Web メディア原稿執筆などを⾏う。「Drone Movie Contests 2016」 ファイナリスト。
http://www.dron-e-motion.co.jp/

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