【ドローンキーパーソンインタビューVol.11-1】凧にカメラを積んだ空撮からスタート。ブルーイノベーションとドローンの歩み | DRONE OWNERS ドローンの楽しさを伝えるメディア

【ドローンキーパーソンインタビューVol.11-1】凧にカメラを積んだ空撮からスタート。ブルーイノベーションとドローンの歩み

  • 日付2017.05.24
  • Vol.11は、ブルーイノベーション株式会社 代表取締役の熊田貴之氏に4回にわたってお話を伺う
  • 1回目の今回は、ドローン黎明期を支えたブルーイノベーションの歴史を振り返る
  • ドローンが「飛行ロボット」と呼ばれていた時代の様子とは

古くからドローン関連ソリューションを提供し、近年では一般社団法人日本UAS産業振興協議会(以下、JUIDA)の事務局運営や、ドローンパイロット用飛行支援地図サービス「SORAPASS」の開発など、幅広い分野でドローンのサービスを提供するブルーイノベーション株式会社。今回から4回にわたり、代表取締役の熊田貴之氏にお話を伺う。

田口さっそくですが、ブルーイノベーションはどのような事業を行っているのでしょうか。

熊田私たちは3つの事業分野でドローンのサービスを提供しています。一つ目はJUIDA提供のドローン教育システムや、地図サービス「SORAPASS」などのドローンパイロット向け支援サービス、二つ目は法人向けサービス、三つ目は研究開発受託などの公共サービスです。

ブルーイノベーション株式会社 代表取締役 熊田貴之氏

ブルーイノベーション株式会社 代表取締役 熊田貴之氏

田口私はJUIDA認定スクールで講師をさせていただいているので、JUIDA事務局としてのブルーイノベーションは身近な存在ですね。飛行禁止区域がわかりやすい「SORAPASS」も普段から使っていますし、受講生にも使ってもらっています。

熊田JUIDA認定スクールは80校に増えて、パイロットのライセンスも1,800名以上に発行しています。「SORAPASS」も約18,000名の方にご登録いただいています。

飛行禁止エリアや飛行危険エリアの情報を地図上に表示する「SORAPASS」

飛行禁止エリアや飛行危険エリアの情報を地図上に表示する「SORAPASS」

田口確か、初めてお会いした頃にお伺いしたお話だと、ブルーイノベーションは海岸線の測量などをする会社だとお聞きしていたのですが、もともとはどのような事業からスタートした会社なのでしょうか?

熊田私のもともとの専門は流体力学なので、津波や離岸流(局所的に起きる強い引き潮)のシミュレーションをしたり、海岸の変形予測を行っていました。

田口そこからどんな経緯で、ドローン関連事業につながっていくのでしょうか。

熊田私は、防災、特に河川・海岸の防災対策の研究を博士課程でしていました。その後、民間企業で防災対策のコンサルタントをしていたのですが、河川・海岸のモニタリングには空撮が重要な要素でした。以前は国土地理院の空撮映像を購入していましたが、災害の原因究明をするには災害直後の空撮映像があったほうがいいということになり、自前で撮影することを検討しました。

田口そのころは、どうやって空撮をしていたのですか?

熊田10年も前の話なので、凧にカメラを搭載して撮影していました。その後はラジコンにカメラを搭載して撮影していましたよ。ちょうどそのころにJUIDA理事長である東京大学の鈴木真二先生と初めてお会いしたのですが、鈴木先生が人の手を介さなくても自動で飛べる航空機の研究をされていました。そこで、「教えてください!」と頼み込んで通わせていただきました。

田口鈴木先生はどのような機体を製作されていたのですか?

熊田固定翼のラジコンに飛行制御システムを積んだ自動飛行の研究とともに、パソコンで設定した場所を自動で飛行する機体を製作されていました。はるか遠くまで飛んで行って戻ってくる機体を見て「この技術はすごい!」と感動し、これを何とか事業化したいと思って、自分たちの河川・海岸のモニタリング事業に使わせていただきました。

田口ドローン事業のさきがけですね。そのころは「ドローン」という言葉も一般的ではなかったですよね?

熊田当時はまだ「飛行ロボット」と呼んでいましたね。この技術は絶対に流行すると思ってやってみたのですが、さっぱりでした。苦節6年間でしょうか…なかなか流れが来なかったのですが、国連のICAO(国際民間航空機関)がドローン(無人機)を航空機とみなすという話になり、流れが変わりました。世界中で航空法を見直そうという動きになったんです。

田口そのあとにAmazonが発表した、ドローンで配送を行うシステムが火付け役ですね。あのころは夢のような話に聞こえたのですが、少しずつ現実的になってきましたよね。

熊田Amazonの発表があってからは、感度の高い大手IT関連企業から問い合わせが入るようになりました。それがきっかけで、ブルーイノベーションとしても本格的にドローン事業に参入しようか…ということになりました。

ブルーイノベーション株式会社

田口こうして振り返ると、ブルーイノベーションは国内においてドローンの最先端を走って来たということが本当によくわかります。そこから始まるドローン開発の歴史については、次回にお伺いします。

まとめ

まだ国内でドローンの事業性がほとんど見えていないころから、ドローンの開発・活用に携わってきた熊田氏。次回は、ブルーイノベーションが開発したドローンのプロジェクトについてお届けする。掲載は5月31日を予定。お楽しみに!

インタビュアー紹介
田口 厚
インタビュアー:田口厚株式会社 Dron é motion(ドローンエモーション)代表取締役
1998年〜IT教育関連NPOを⽴上げ、年間60回以上の⼩学校現場における「総合的な学習」の創造的な学習⽀援や、美術館・科学館などにてワークショップを開催。その後Web制作会社勤務を経て中⼩企業のWeb制作・コン サルティングを主事業に独⽴。
2016年5⽉株式会社Dron é motionを設⽴、IT・Web事業のノウハウを生かしながら空撮動画制作・活⽤⽀援を中⼼に、ドローンの活⽤をテーマにした講習などの企画・ドローンスクール講師、Web メディア原稿執筆などを⾏う。「Drone Movie Contests 2016」 ファイナリスト。
http://www.dron-e-motion.co.jp/

関連記事

COLUMNのページでは、ドローンに関する特集記事を4つのジャンル別に掲載しています。INTERVIEWはドローン業界のキーパーソンの方々への連載インタビュー。ドローン空撮や映像編集に関するテクニックをお届けします。REPORTはドローンの新製品発表会やドローン関連イベントの取材。REVIEWはドローンの機体やドローン飛行可能施設(フィールド)の紹介。INFORMATIONはドローンレースやドローン空撮コンテストなどを紹介しています。

SNSでシェア
  • Facebookで教える
  • Twitterで教える
  • LINEで教える
  • はてブで教える