【ドローンキーパーソンインタビューVol.12-4】DJIのエースパイロット 中村佳晴氏が選ぶ、マイベストドローンとは | DRONE OWNERS ドローンの楽しさを伝えるメディア

【ドローンキーパーソンインタビューVol.12-4】DJIのエースパイロット 中村佳晴氏が選ぶ、マイベストドローンとは

  • 日付2017.07.19
  • DJI JAPAN株式会社 エースパイロットの中村佳晴氏にお話を伺う4回目
  • 歴代モデルから中村氏が選ぶ「技術革新に驚いた機種」
  • お気に入りの機種は意外なアレ。その理由とは

ドローン業界でトップシェアを誇るDJI。その日本法人、DJI JAPAN株式会社(以下、DJI JAPAN)で専任パイロットを務める中村佳晴氏。メーカーのエースパイロットであり、古くからのDJIドローンユーザーでもある中村氏から見て、一番お気に入りのドローンはどの機体なのかだろうか。今回は中村氏とドローンの関係についていろいろ聞いてみたい。

田口中村さんは古くからのDJIドローンユーザーということで、機体の進化をずっと見てきていらっしゃると思うのですが、機体の技術として、ターニングポイントを感じたのはどの機体ですか?

中村オールインワンのPhantomかな。いや、手元で映像が見られるようになったPhantom 2 Vision+は画期的でしたよね。でも、4K映像とビジョンポジショニングが搭載されたPhantom 3も大きな変化だし。それを言うなら、障害物センサーが付いたPhantom 4だって…

田口ほとんど全部じゃないですか(笑)。でも、それだけインパクトのある技術革新があったということですね。

歴代の機体の話で盛り上がる、DJI JAPANのエースパイロット 中村佳晴氏(写真左)とライターの田口(写真右)

歴代の機体の話で盛り上がる、DJI JAPANのエースパイロット 中村佳晴氏(写真左)とライターの田口(写真右)

中村そういうことです(笑)。Phantom 2とPhantom 2 Vision+は別物というくらい進化していました。Phantom 3で4Kの映像が撮影できるようになったときも衝撃的でしたね。そしてMavic Proは折りたためてペットボトルサイズなのに4K映像が撮影できて、抜群の飛行安定性も備えています。

Phantom 2とPhantom 2 Vision+は別物というくらい進化していました

Phantom 3

田口では質問を変えて、ドローングラファでもある中村さんにとって、歴代の機体の中で一番のお気に入りはどれですか?

中村Inspire 2ですね。意のままに操れるような、操縦感覚がすごくいい。Mavicも好きなのですが、少し動きが硬い感じがします。ぎゅぎゅっと動いたり止まったりする感じ。

Inspire 2

Inspire 2

田口機体の技術革新という観点ではPhantomの名前が挙がっていましたが、一番好きな機体はInspire 2なのですね。

さまざまな機種が並ぶDJI JAPANの品川オフィス

さまざまな機種が並ぶDJI JAPANの品川オフィス

中村Phantomも好きなのですが、2オペ(2オペレーション。機体の操縦とカメラの操作を2人態勢で行える)ができるという汎用性や、バッテリーやセンサー類が全て2つずつ搭載された冗長性、それがもたらす安全性は格別です。

田口僕もいろいろな機体を操縦させていただいているのですが、Inspire 1のころは少し不安定なイメージがあった機体が、Inspire 2になって格段に安定しましたよね。操縦感覚はPhantom 4 のぬめっとしたなめらかさに近いです。

中村Inspire 2 は使えば使うほど手になじんでくる感覚があって、本当に大好きです。先日、とある下町のお祭りを空撮してきたのですが、そのときもInspire 2を使いました。

田口下町のお祭りにInspire 2ですか。人や電線などの障害物が多い場所では、Phantom 4 Proなどの小型機が向いているようにも思うのですが。

中村いえ、そういう場所こそInspire 2ですね。2オペで操縦に専念できますし、カメラも360°パンできて複雑な操縦を必要としません。また、万が一のときの冗長性は安全に直結します。

DJI JAPANのエースパイロットでドローングラファの中村佳晴氏

田口なるほど!機体が大きくて万が一落ちたときのリスクを考えてしまいがちですが、運用の安全性を考えると確かにInspire 2は事故リスクを低く抑えることができそうです。

中村Phantom 4 Proの障害物センサーは電線のような細いものには反応しませんし、カメラの向きを横に変えるには機体そのものを横に向けなくてはなりません。そういったことを考えると、Inspire 2の方が操縦難易度も低く、安全に運用できると考えています。

田口では、最後にみなさんに聞いている質問なのですが、中村さんにとってドローンとは何ですか?

中村ドローンはみんなを楽しませる、楽しい心にしてくれる子であり、それでいて人の役にも立ってくれる子ですね。災害時には絶対に役に立つと思いますし、物を運ぶだけでなく点検に役立てることもできる。すごく働いてくれる子なのですが、飛んでいるだけでもとても楽しい。そんな存在です。

DJI JAPANのエースパイロットでドローングラファの中村佳晴氏

田口災害対策への必要性からドローンの活用に目覚め、今ではドローンを愛し、その魅力をたくさんの人に伝えている中村さんらしいお答えですね。本日はありがとうございました。

まとめ

民生用ドローンシェアNo.1のドローンメーカーでドローンパイロットとして活躍する中村氏。パイロットというポジションでありながら、取扱説明書の翻訳を手掛けるなど、その仕事の幅は驚くほど広い。
インタビューしてみて意外だったのは、ドローンを仕事にするきっかけが東日本大震災にあったことだ。中村氏が携わったDJIのPRムービーはどれも映像が魅力的で、てっきり映像への興味からドローンにのめり込んだのだと思っていた。災害発生に備えて、ドローンを役立つ存在へ育てたいという中村氏の強い気持ちが、ドローンへの愛情や高い安全意識の源になっているのだろう。ドローンパイロットという肩書を超えて、一人の人間として中村氏への尊敬の念を感じるインタビューだった。

■関連 Inspire 2でお祭りを撮影した件に関する詳しい記事(DRONE OWNERSブログ)

インタビュアー紹介
田口 厚
インタビュアー:田口厚株式会社 Dron é motion(ドローンエモーション)代表取締役
1998年〜IT教育関連NPOを⽴上げ、年間60回以上の⼩学校現場における「総合的な学習」の創造的な学習⽀援や、美術館・科学館などにてワークショップを開催。その後Web制作会社勤務を経て中⼩企業のWeb制作・コン サルティングを主事業に独⽴。
2016年5⽉株式会社Dron é motionを設⽴、IT・Web事業のノウハウを生かしながら空撮動画制作・活⽤⽀援を中⼼に、ドローンの活⽤をテーマにした講習などの企画・ドローンスクール講師、Web メディア原稿執筆などを⾏う。「Drone Movie Contests 2016」 ファイナリスト。
http://www.dron-e-motion.co.jp/

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