【ドローンキーパーソンインタビューVol.9-3】エバンジェリスト西脇氏が描く、ドローンの未来予想図 | DRONE OWNERS ドローンの楽しさを伝えるメディア

【ドローンキーパーソンインタビューVol.9-3】エバンジェリスト西脇氏が描く、ドローンの未来予想図

  • 日付2017.03.22
  • 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員・エバンジェリストの西脇資哲氏にお話を伺う3回目
  • 五重塔をドローンで空撮して、新たに見えてきた魅力とは
  • ドローンの未来予想図は「置き換え」ではないドローン活用

前回は、西脇氏が自費で購入したドローンの数々の中から、お気に入りのドローンについて思う存分語ってもらった。今回はもう少し視点を広げて、ドローンが持っている魅力と、ドローン活用の未来像についてお話をお伺いする。

エバンジェリスト西脇氏から見た、ドローンの魅力

【田口】前回は西脇さんが気に入っている機種について伺いました。今回は、機能や可能性、社会的な役割など、西脇さんが思うドローンの全般的な魅力をお聞かせください。

ドローンの魅力は大きく分けて二つあると思っています。
一つ目は、今まであまり見ることができなかった高さからの映像を見られる目を手に入れたということです。これまでは、宇宙で撮影された映像や飛行機の窓から見える景色はよく目にすることができましたが、それより低い視点からの映像というのは、あまり見る機会がありませんでした。それを見られるようになったことが、ドローンの最大の魅力だと思っています。

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員・エバンジェリスト 西脇資哲氏

日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員・エバンジェリスト 西脇資哲氏

【田口】僕のメインの仕事は観光PRに向けた空撮映像制作なのですが、ドローンの目線から地域の魅力を再発見するのが楽しみです。

観光地はもちろん、学校の卒業アルバムの写真や、モータースポーツの撮影などでもドローン空撮を活用していますよね。見たことのない映像が新鮮で、すごく興奮させられます。

【田口】見たことがないといえば、僕は日本のお城や神社・仏閣が大好きなのですが、お城ってドローンの視点からはどう見えるんだろう?と思ったことが、ドローンを始めたきっかけなんです。

私もお城や神社・仏閣は大好きです。今までのお城や神社・仏閣の映像って、地上から眺めているものしかありませんでしたよね。
この動画は国の重要文化財である岡山県 備中国分寺 五重塔を、特別に許可をいただいて、私が撮影したときのものなのですが、戦国時代や江戸時代には、お城を上空から眺める技術は無かったはずなのに、上から見るととてもキレイに作られていることに驚きました。

【田口】西脇さんの動画って、あまり見る機会がないので貴重ですね!お城は私も何度も撮っていますが、屋根が幾重にも重なって城壁を隠すくらいの角度がいいんですよね…

すごくわかります(笑)。ドローンのお陰で、いろいろな視点からお城を楽しめるようになりましたよね!

【田口】ドローンの二つ目の魅力はどこでしょうか?

空を飛ぶものを自由に制御できるという、ガジェットとしての魅力ですね。グライダーのように風に任せて空を飛ぶとか、飛行機のような乗り物と違って、ドローンは自分で自由に制御して、空を飛べる楽しさがあります。

【田口】ラジコンヘリなどはハードルが高くて、ごく一部の人の楽しみでしたからね。僕もラジコンヘリに興味はあったのですが、技術的なハードルが高くてやりませんでした。

ドローンはビジュアルもかわいいし、3次元空間の中を自由に操縦して飛ばせます。そういった新しい「感覚」としての魅力を持っていると思います。
私たちはバイクや車を日常的に使いますよね。もっと大きい乗り物というと、新幹線や飛行機です。ドローンは、ちょうどその中間に位置していると思います。もちろん、飛行機と違ってドローンに直接乗り込むことはできないわけですが、カメラを通して自由に空を飛ぶことができます。この感覚は、今までに味わったことがないものですよね。

エバンジェリスト西脇氏が描く、ドローンが活躍する未来

【田口】将来的に、ドローンはどのように活用されていくと思いますか?

中期的なものと長期的なものがあると考えています。
中期的なものとしては、最近、農薬散布や物流に関するドローン活用のニュースを見ますが、それは既存の仕組みの「置き換え」でしかないと思うのです。農薬散布は産業用無人ヘリコプターがあったし、物流もAmazon Prime Nowでオーダーすれば1時間で荷物が到着するくらい整っています。すでにある仕組みの一部をドローンに置き換えたとしても、それほどインパクトはないのかなと思います。
新しい活用方法として、救命、救難、災害調査の分野に注目してます。中州に取り残された人を救うためとか、山の向こう側で煙が上がっている状況を確認するためにドローンを使う方法もあるのではないでしょうか。
今までできなかったことや道具がなかった分野にドローンを導入することが重要なのだと思っています。

【田口】確かに、それでこそドローンの本領発揮ですね。長期的にはどのようなところでしょうか?

ドローンの高機能化と自動化ですね。
高機能化というのは、2台同時にドローンを飛ばしてマルチアングル映像を撮ったり、高機能なズーム機能を持たせるということです。
もう一つは自動化ですね。例えばドローンにAIを組み込んだりすることで「ドローンを人が操縦する」時代に終わりが来ると思います。

【田口】自動車の自動運転技術が盛んに開発されていますが、ドローンにも近い将来、その機能が搭載されるかもしれませんね。

いや、ドローンの自動化のほうが自動車より先に進むかもしれませんよ。自動車はインフラのほうが先にできていますから、その環境に自動運転を合わせなくてはいけません。しかし、ドローンはまだインフラがないので設計が自由です。ドローンに合わせてインフラ整備すれば、自動車より先に自動運転が実用化できる可能性が高いです。SF映画にもなかった未来がやってくるかもしれません。

まとめ

いろいろな方にインタビューをしていると、ドローンの捉え方が人によって違うことがよく分かる。ビジネスのツールとして捉えている方もいれば、カメラとして捉えている方もいる。西脇氏の場合は間違いなく「ガジェット」だ。空飛ぶ最新のガジェットの魅力を、西脇氏ならではの多角的な視点で私たちに伝えている。
次回は、西脇氏のお話もいよいよ最終回。西脇氏がドローンのエバンジェリストとして伝えたいメッセージや、西脇氏にとって「ドローン」がどんな存在なのか、詳しく聞いてみたい。掲載は3月29日を予定。お楽しみに!

 

インタビュアー紹介
田口 厚
インタビュアー:田口厚株式会社 Dron é motion(ドローンエモーション)代表取締役
1998年〜IT教育関連NPOを⽴上げ、年間60回以上の⼩学校現場における「総合的な学習」の創造的な学習⽀援や、美術館・科学館などにてワークショップを開催。その後Web制作会社勤務を経て中⼩企業のWeb制作・コン サルティングを主事業に独⽴。
2016年5⽉株式会社Dron é motionを設⽴、IT・Web事業のノウハウを生かしながら空撮動画制作・活⽤⽀援を中⼼に、ドローンの活⽤をテーマにした講習などの企画・ドローンスクール講師、Web メディア原稿執筆などを⾏う。「Drone Movie Contests 2016」 ファイナリスト。
http://www.dron-e-motion.co.jp/

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