【ドローンキーパーソンインタビューVol.8-3】大前創希氏のドローン空撮ノウハウ「8秒ルール」や「逆算して撮影」 | DRONE OWNERS ドローンの楽しさを伝えるメディア

【ドローンキーパーソンインタビューVol.8-3】大前創希氏のドローン空撮ノウハウ「8秒ルール」や「逆算して撮影」

  • 日付2017.02.22
  • 株式会社クリエイティブホープ 代表取締役会長 大前創希氏にお話を伺う第3回
  • 今回は大前氏の映像制作ノウハウを中心にお話を伺い、具体的なテクニックを紹介
  • コツは「Z軸の表現」「8秒ルール」「逆算しての撮影」など

前回はIT企業経営者ながら、ドローン関連企業への投資や、ドローンパイロットとして空撮映像の制作を行う大前氏に、会社設立の経緯や、ドローンを使った地方創生について伺った。大前氏は日本初の本格的な空撮動画コンテスト「Drone Movie Contests 2016」で準グランプリを受賞するなど、その映像制作の技術は評価が高い。そこで今回は、大前氏に具体的な映像制作のノウハウについて、詳しくお伺いする。

逆算で作る、ドローン空撮の作りのポイント

【田口】大前さんが制作する映像は、パッと見た瞬間にほかの空撮映像とは違う美しさを感じます。ご本人から説明いただくとすると、どのあたりがほかの方の映像と違うと思いますか?

私にとってはドローンを「飛ばす」ことよりも、パッと見た瞬間に「画としてキレイかどうか」というほうが重要です。画としてキレイだったら、ドローンを飛ばす必要もないんですよね(笑)。

株式会社クリエイティブホープ 代表取締役会長 大前創希氏

株式会社クリエイティブホープ 代表取締役会長 大前創希氏

【田口】未完成な画にドローン空撮が加わることで、完成するのですね。

そうです。空撮時のカメラワークの最大の特徴は、立体的な動きが加わることだと思います。Z軸をどう表現しよう?ということを中心に据えて、撮影しています。XとYの前後左右の動きにZ軸の縦の動きが入ることによって、これまでの映像とは違う驚きや感動、興奮を、見ている人に提供できるのはないかと思っています。

あとは、8秒に特にこだわって撮影しています。この空間で8秒間撮るとしたらどこが最高にキレイなのかな…と。

【田口】8秒ですか?

見ている人にとっては、一つのカットは長くても8秒くらいが見ていられる限界なのではないかと思います。10秒は我慢できないし、短ければ4秒くらいかもしれない。そうすると、4秒で成立する画、8秒で成立する画って何なのかということを考えて、そこに1点集中する必要があります。

【田口】確かに、よほど特殊な用途がない限りは、10秒以上のカットってあまりないですよね。

私の制作する映像はだいたい2分ぐらいの長さに収めるのですが、撮影時に編集する長さをイメージして撮っています。撮れたものを編集するのではなく、撮っているときから編集のことを逆算しながら撮っていますよ。

【田口】僕らの撮影って、その地域の魅力的な場所に案内していただいて、そこでどうやってドローンを飛ばすか、どうやって魅力的な画を撮るかということを考えると思うのですが、そのときに気をつけていることやコツなどあれば、ぜひ教えてください。

まず、立体的な被写体がある場合は「ノーズ・イン・サークル」という飛行方法を活用することが多いです。被写体を常に画面の中心に捉えながら、ドローンはその周りを円を描くように回る撮影方法です。この撮影方法を使うと、被写体を立体的に捉えることができます。画面の中心と外側で景色の流れるスピードに差が生まれて、とても立体的で多次元的、多構造な映像を撮影できます。

【田口】「ノーズ・イン・サークル」を使うドローンパイロットは多いですよね。

あとは、高度を下げなら撮影するときにただ単純に下がるのではなく、どこか1点に向かって下がっていくという手法も使います。機体の高度を下げながら、カメラを少しずつ上方向にチルトさせていく…といった映像は、これもまた立体的に見えるんですよね。

【田口】平面的な場所を撮影するには、どのようなテクニックがあるでしょうか?立体的な場所はドローンのZ軸の動きをフル活用した映像が撮りやすいのですが、平面的な場所って全体像を撮影して終わっている映像が多いんですよね。

低空で少し斜めに進みながら、カメラは下向きからだんだん前に向く映像はいいのではないでしょうか。進行方向側の景色が少し入りながら、目の前の景色が流れるというイメージです。カメラを正面に向けて進む映像だと正面しか見えないのですが、次の展開が少しずつ入ってくることによって「次は何が出てくるんだろう?」という楽しみが続くんですよ。
北海道の美瑛町で日の出を狙ったときは、朝もやが消える前に、素早くドローンを起動して、撮影しました。

【田口】この撮影方法なら、平面的な場所でも変化を与えることができますね。

木々が茂ったところや両側に壁が迫ったところなど狭い場所では、あえてカメラを正面に向けて撮影するという方法もあります。ドローンのカメラのレンズは画角がワイドなものが多いので、正面に向けることで周辺全体が写り、奥行きと両側の茂みや壁の迫る雰囲気との対比が面白い映像になります。
「Infinity Ventures Summit2015」でドローンのデモ飛行を京都の東山にある天台宗青蓮院門跡将軍塚青龍殿で行った時は、木々の中から上昇させひねりをきかせた三次元的な動きと、お寺と紅葉と街の風景を入れました。

【田口】被写体との距離感について、意識していることはありますか?

ドローンで撮影するときはあまり近づいてもいい画は撮れないと思っています。何か特定の被写体がある場合は別ですが、大きなものや景観を撮る場合はそれらを一つの立体として認識して撮影します。例えば紅葉の風景などを撮影するときは、斜めにまっすぐ降りながら撮ったり、まっすぐ進みながら撮ったりすることで全体感が入ってきます。そうすることで、見る人がストーリー展開を予想できるようになり、ワクワクして見られる映像を作れます。撮影方法に悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。

まとめ

今回は大前氏の撮影テクニックを中心にお話を聞いた。
次回4回目は、引き続きテクニックについてお届けする。「光と影の使い方のポイント」「BGMの付け方」などを紹介する予定なので、お楽しみに!掲載は3月1日(水)予定だ。

 

インタビュアー紹介
田口 厚
インタビュアー:田口厚株式会社 Dron é motion(ドローンエモーション)代表取締役
1998年〜IT教育関連NPOを⽴上げ、年間60回以上の⼩学校現場における「総合的な学習」の創造的な学習⽀援や、美術館・科学館などにてワークショップを開催。その後Web制作会社勤務を経て中⼩企業のWeb制作・コン サルティングを主事業に独⽴。
2016年5⽉株式会社Dron é motionを設⽴、IT・Web事業のノウハウを生かしながら空撮動画制作・活⽤⽀援を中⼼に、ドローンの活⽤をテーマにした講習などの企画・ドローンスクール講師、Web メディア原稿執筆などを⾏う。「Drone Movie Contests 2016」 ファイナリスト。
http://www.dron-e-motion.co.jp/

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