【ドローンキーパーソンインタビューVol.10-3】FPVドローンレースで入賞!ドローン芸人 谷+1。氏のレース練習法

  • 日付2017.04.19
  • ドローンを使ったネタを披露する「ドローン芸人」である谷+1。氏にお話を伺う3回目
  • ドローン芸から始まって、FPVドローンレースに目覚めた理由
  • 3月に石垣島で開催されたFPVドローンレースでは3位入賞。上達するまでの過程とは

谷+1。(たにぷらすわん)氏といえばドローンを使ったマシュマロキャッチがおなじみだが、実は芸人としての側面だけではなく、FPVドローンレース(ファースト・パーソン・ビュードローンレース:ドローンに取り付けたカメラから送られてくるリアルタイムの映像を、専用のゴーグルで見ながら操縦するレース)のレーサーとしても活躍しており、3月に開催された「ISHIGAKI DRONE RACE 2017」では3位入賞を果たすなど実力は折り紙付きだ。そこで今回は、FPVドローンレースの魅力を谷+1。氏にお伺いする。

田口谷さんがFPVドローンレースに本格的に取り組むとは意外でした。もともと興味があったのですか?

谷+1。氏以前、ドローンのイベントに参加したときに、上級者の方々がすごいテクニックでドローンレースをやっているのを見て、これはマシュマロを食っている場合じゃないなと思いまして(笑)。

ドローン芸人の谷+1。氏

ドローン芸人の谷+1。氏

田口そこで、FPVレースを極めてやろう…と思ったわけですね。

谷+1。氏それと、歴史の長い空モノラジコンをやっている方々に対して、谷+1。という芸人としての説得力を持たせるなら、やはりFPVレースの世界で結果を残しておいたほうがいいのではないかと思いました。レースもできて、その上でマシュマロキャッチをするほうが芸のクオリティが上がるな…と。

田口僕はFPVレースってやったことがないのですが、どのあたりが醍醐味ですか?

谷+1。氏あたかも自分が機体に乗って操縦しているかのような感覚が得られるところに、一番ワクワクしますね。 ただ、ここまで来るにはかなり練習しました。おもちゃも含めた一般的なドローンには、ジャイロセンサーという傾きを検知するセンサーがついているので安定してフライトできるのですが、スピードを出すにはそのセンサーを切って機体の姿勢を全て自分でコントロールする「アクロモード」で操縦する必要があります。この操縦方法を身につけるまでに1年くらいかかりました。

愛機のAstroX

愛機のAstroX

田口一般的なドローンは前進しても送信機のレバーを戻せばその場に止まったり、ジャイロセンサーのおかげで姿勢が水平に戻りますが、アクロモードはそれを手動でやるということですよね?

谷+1。氏そうです。傾いた機体の姿勢は、送信機のレバーを傾いた方向と逆に入れることで、手動で水平に戻します。例えば、前進してから止まるには、後ろ向きに送信機のレバーを入れて機体の姿勢を強制的に水平に戻します。もちろんGPSは搭載していませんから、止まる際にはバックする要領で手動ブレーキをかけます。

田口車に例えるなら、一般的なドローンがオートマチック車で、アクロモードのレースドローンはF1ですね。練習はどういったことから始めればよいでしょうか?

谷+1。氏まずはホバリングですね。最初はジャイロセンサーが入っている機体でもよいので、ホバリングを習得する。そこからジャイロセンサーを切ってアクロモードでホバリングです。
それと、FPVレーサーは画面を見て操縦することに慣れる必要があります。最初のうちは、どうしても距離感がつかみにくいと思います。

田口距離感をつかめるようになるためには、どのような練習がよいのでしょうか?

谷+1。氏僕は専用のゴーグルをつけままドローンを手で持って、どこを通るとどのような映像が送られてくるかをチェックしていました。例えば、木の横にドローンを持って行って、どのあたりを通ると安全で、どのあたりを通ると木に衝突してしまうのか、映像を見ながらチェックします。実際は3次元の空間ですが、ゴーグルに送られてくる映像は2次元(平面)で表示されるので、その感覚に慣れるのが重要です。

ドローン芸人の谷+1。氏

田口その練習法は、地味ですが空撮のドローンでも役に立つかもしれません。ちなみに、FPVドローンを操縦するにはアマチュア無線免許4級が必要ですよね?

谷+1。氏そうですね。映像伝送に5.8GHz帯という電波を使用していますので、アマチュア無線四級が必要です。真面目に勉強をして試験を受けました。ついでと言ってはなんですが、第三級陸上特殊無線技士も取得しました。ドローンをきっかけにして、電波にも詳しくなりました(笑)。

田口そういえば、マシュマロキャッチも国土交通省に申請して飛行許可をもらっていましたよね?

谷+1。氏はい。ドローンからマシュマロを飛ばすということが改正航空法で定められている「物件投下の禁止」に当たるので、国土交通省に飛行許可申請をして承認を得ています。

国土交通省に提出した許可・承認書

国土交通省に提出した許可・申請書

何を投下するか、詳しく記されている

谷+1。氏ネタとしてドローンを使う芸人はなかなかいませんから、国土交通省のドローン飛行許可承認を得ているのは、芸人の中でも僕くらいだと思いますよ(笑)。法令はきちんと遵守しながら、これからもずっとドローンを楽しみたいですね。

まとめ

一般的なFPVドローンレーサーは、フレームがむき出しになっている武骨な機体のイメージが強いのだが、谷+1。氏の機体はオリジナルイラストのカラーリングが施されており、親しみやすさがある。「他の人とは違うことをしたい」という谷+1。氏のこだわりが、機体にもにじみ出ているのではないだろうか。

さて、谷+1。氏のインタビュー最後の回となる次回は、谷+1。氏が目指すドローンの方向性についてお話を聞いてみたい。掲載は4月26日を予定。お楽しみに!

 

インタビュアー紹介
田口 厚
インタビュアー:田口厚株式会社 Dron é motion(ドローンエモーション)代表取締役
1998年〜IT教育関連NPOを⽴上げ、年間60回以上の⼩学校現場における「総合的な学習」の創造的な学習⽀援や、美術館・科学館などにてワークショップを開催。その後Web制作会社勤務を経て中⼩企業のWeb制作・コン サルティングを主事業に独⽴。
2016年5⽉株式会社Dron é motionを設⽴、IT・Web事業のノウハウを生かしながら空撮動画制作・活⽤⽀援を中⼼に、ドローンの活⽤をテーマにした講習などの企画・ドローンスクール講師、Web メディア原稿執筆などを⾏う。「Drone Movie Contests 2016」 ファイナリスト。
http://www.dron-e-motion.co.jp/

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