この前ドローンを操縦してたら、電池切れで空から落ちてきたぜ…。
人がいたらどうなってたんだ…。
タクミくん。そんな時こそ「ドローン保険」に加入するのよ。
今回はもしもの時のための「ドローン保険」について解説していくわ。
下記を確認していきましょう。
ドローン保険の基礎知識と現存する保険の紹介を行っていきます。
特に、ドローンをこれから購入する方、購入したばかりの方。
もうドローンを持っており、保険の更新を行う方。
法人・事業主としてドローンの活用を考えている方は、ぜひ参考にして頂ければと思います。
では参ります。
ドローンにも保険があるの?
「保険」と聞くと、自動車や健康保険などがまず頭に思い浮かびますが、実はドローンにも保険がきちんと存在しています。
趣味でドローンを飛ばしている方でも、不注意でドローンを墜落させてしまう可能性はありますし、機体が地上の人の頭に落ちたら…と考えるとゾッとします。
そんな事故が、自分の身に起こる可能性はゼロではありません。
自分の操縦ミスでなくとも、風に煽られたり、鳥に当たったり、機体の不具合でバランスを崩したり…といったことが起こり得ます。
特に「電池切れ」でドローンが墜落するケースは非常に多く、墜落して屋根を損壊させたり、車に衝突して傷を作ったり、電線などの公共物を破損させてしまったりといったケースがあります。
そういったことが起こった際にも、保険に加入していると安心です。
早速以下で詳しく確認していきましょう。
2種類のドローン保険について
保険には大きく性質の異なるものが2種類あります。
きちんとご自身に合った保険を確認した上で、加入するようにしましょう。
賠償保険(施設賠償責任保険)
自動車の保険で言うと、対人/対物損害賠償保険にあたります。
ドローンの所有・使用に伴い、人・所有物・公共物を破損させてしまった際に適用されます。
具体的には以下のような状況に対応した保険になります。
- 対人賠償:ドローンの離陸時に操作を誤り、機体が歩行者に接触してケガを負わせてしまった。
- 対物賠償:ドローンが他人の家の壁に衝突して墜落。自動車を損傷させてしまった。車両の修理費の賠償責任を負ってしまった。
- 人格権侵害:空撮した映像を投稿したところ、付近の家からプライバシー侵害で訴えられてしまった
車両の賠償保険は、誰でも保険に加入するにも関わらず、ドローン保険は加入しないという状況を散見しますが、ドローンを商用利用で飛ばす方や、趣味だとしても飛ばす回数が多い方は必ず加入するべきです。
仮に人を死亡させてしまったり、後遺症が残るような怪我を負わせてしまった場合、負いきれない程の責任を負わなければなりません。
DJIドローン・3DRドローンは、購入して1年目は無料で保険が付属しますので、必ず手続きを行うようにしましょう。
機体保険(動産総合保険)
続いて、機体保険です。
機体保険は、機体そのものにかける保険です。
ドローン本体・搭載カメラが壊れてしまった際に、「修理費などの損害額」や捜索/改修費用を補償してもらいます。
- ドローン破損時の修理費用(操作ミスや突風による墜落などが原因)
- 飛行中に機体が行方不明になった際の、機体の捜索・回収費用(交通費や宿泊費等)
- 保管中の火災、落雷、水濡れや盗難によって生じた損害
といった、機体に万が一のことがあった際に補填を行ってくれる保険になっています。
ドローンは物理的に壊れるリスクの高い機材であり、かつ高価なものが多いです。
10万円以上のドローンであれば加入を強くお勧めします。
特に、産業用の機体であれば100万円を超える高価なものも数多くあるので、墜落時の損害を考えると保険に加入して損は無いでしょう。
(留意点:トイドローンの保険加入は一般的ではありません。また、大型ドローンは搭載のカメラの加入も可能で、100万円以上の高価なものであっても対象にできます。)
正しいドローン保険の選び方
保険の選び方とは
ではいよいよ、日本国内のドローン保険の選び方に入っていきます。
保険に関する情報は記事更新時点(2018年2月13日更新時点)のもので、すべて弊社調べのものとなっております。
加入される際は、ご自身でも内容等を確認するようにして下さい。
まず、ドローン保険を選ぶ際には使用用途を考慮します。
- 個人が趣味で飛ばす
- 法人や事業主が業務で飛行させる
この使用用途の違いによって、選ぶことが可能な保険が変わります。
それに加えて、保険の種類について考える必要があります。
- 損害賠償に対する保険(賠償保険)
- 機体に対する保険(機体保険)
上記の保険がそれぞれ必要かを考えて保険を選びましょう。
特に賠償保険は加入しておくことを推奨します。
個人・法人/賠償保険・機体保険という軸で、それぞれの保険を解説していきます。
個人向け:賠償保険
DJI無償付帯賠償責任保険 限定利用プラン/エアロエントリー(最初の1年無料)
実は、DJIのドローンを購入すると、最初の1年は無償で保険がセットになっているのです。
しかし、これは購入後にご自身で登録しなければ無効となってしまうので、DJI社のドローンを購入したらすぐに登録するようにしましょう。
DJI保険とは、DJI JAPAN、三井住友海上火災保険、エアロエントリーの3社で共同開発されたドローン保険。対象者はDJI製品の購入者であり、3種類の保険が展開されています。
なお、エアロエントリーのDJI保険は、三井住友海上火災保険が引受を行っています。
対象 | 個人 |
保険内容 | 賠償保険 |
賠償金額 | 1事故につき1億円まで(対人・対物合算) 交通死亡・後遺障害保険金100万円 |
免責金額 | 5万円 |
保証期間 | 1年間 |
保険料金 | 0円/1年間 |
Spark、Mavic Pro、Phantom 4 Pro、Phantom 4 Adv、Phantom 4、Phantom 3 Professional/Advanced、Phantom 3 Standard、INSPIRE 2 シリーズ、MATRICE 100、AGRAS MG1
RCKラジコン保険(個人用ドローン保険)
個人に適用される保険として有名なものが「一般財団法人 日本ラジコン電波協会」のラジコン操縦士向けのラジコン・ドローン保険です。
この保険は、ラジコン操縦士に登録することで、第三者への損害賠償保険に加入することができます。
価格が安価で、対応もスムーズのため個人・趣味でドローン空撮される方が2年目以降に加入される保険としておすすめです。
*DJIドローンであれば、1年目はエアロエントリー保険が無難でしょう。
ただし、こちらも自身が所有する機体への機体保険は付帯されていないことに注意してください。
対象 | 個人(業務利用は適用外) |
保険内容 | 賠償保険 |
賠償金額 | 1億円 |
免責金額 | 5万円 |
保障期間 | 2年間 |
保険料金 | 4500円 |
ラジコン模型、ドローン
個人向け:機体保険
DJI機体保険/エアロエントリー
続いて、エアロエントリーの機体保険です。
こちらの機体保険には対人・対物といった損害賠償保険は含まれておらず、あくまで機体に何か起こった際に適用となる保険であることに注意しましょう。
損害保険金、捜索回収費用など基本的な機体保険としての補償を取り揃えています。
操縦中にバッテリー切れなどで墜落したり、木などに衝突して破損した場合などの修理費が必要となった場合などに役立ちます。
しかし、あまりにも加入者がドローンを落としすぎて補償の支払いが増えたため、保険料の値段を上げる方向へ改正を行う話が進んでいるようです。
引き続き今後の動向に注目していきます。
対象 | 個人・法人 |
保険内容 | 機体保険 |
賠償金額 | 対象となる機体の新価 |
免責金額 | 保険金額の2% |
補償期間 | 1年間 |
保険料金 | プランと機体によって変動。保険金額の8〜15% |
Mavic Pro、Phantom 4 Pro/Pro(ディスプレイ付き送信機)、Phantom 4、Phantom 3 Professional/Advanced、Phantom 3 Standard、INSPIRE 2 シリーズ、MATRICE 100、AGRAS MG1
ドローン保険(個人向けホビー用)/あいおいニッセイ同和損保
あいおいニッセイ同和損保のドローン保険の特徴は、10万円までであればドローンの機体の損害を「携行品損害補償」として補償してくれるという点です。
また、こちらのドローン保険は賠償保険とセットになっており、ケガによる死亡・後遺障害の基本補償に加えて、第三者への賠償を補償する「個人賠償責任危険補償」や、他人から借りたドローンなどを補償する「受託物賠償責任補償」もセットとなっています。
機体保険(携行品損害補償)の上限が10万円と、Mavicシリーズ以上のドローンが大破した場合全額は戻ってこない程度の補償金額ではあります。しかしながら、賠償保険と機体保険を兼ねながらも年間の保険料は7,000円と非常に安価に抑えられています。免責金額が3000円なのもポイントです。
今まで個人の機体保険のエアロエントリーのDJI機体保険一択であったため、こちらの保険は機体保険にも加入したい方にはぜひ比較対象として頂きたいです。
対象 | 個人 |
保険内容 | 賠償保険、機体保険 |
補償金額 | 機体保険(携行品損害): 10万円 賠償保険: 1億円 +死亡・後遺生涯保険金額204万円 |
免責金額 | 機体保険: 3,000円 賠償保険: 0円 |
補償期間 | 1年間 |
保険料金 | 一時払保険料 7,000円 |
※本保険には「墜落原因不明なケースでは保険金支払い不可」という文言が追加されています。墜落の場合はドローンメーカーが発行する墜落原因の証明書が必須になるようですのでご留意下さい。
法人・事業主向け:賠償保険
DJI無償付帯賠償責任保険 標準プラン/エアロエントリー(最初の1年無料)
DJIの無償保険は、法人・事業主に関しても有効です。
こちらも購入後にご自身で登録しなければ無効となってしまうので、DJI社のドローンを購入したらすぐに登録するようにしましょう。
損害賠償金や訴訟費用等を補償してくれます。
対象 | 法人・事業主 |
保険内容 | 賠償保険 |
賠償金額 | 対人: 1億円 対物: 5000万円 |
免責金額 | 5万円 |
補償期間 | 1年間 |
保険料金 : | 0円/1年間 |
Spark、Mavic Pro、Phantom 4 Pro、Phantom 4 Adv、Phantom 4、Phantom 3 Professional/Advanced、Phantom 3 Standard、INSPIRE 2 シリーズ、MATRICE 100、AGRAS MG1
DJI賠償責任保険(1年以降有償版)/エアロエントリー
続いて、同じくエアロエントリーから提供されているDJI賠償責任保険です。
DJI無償付帯保険に似ていますが、カバーできる範囲や賠償限度額を選ぶことができるのが特徴です。
使用用途によって、タイプA,B,Cの三種類があります。
特筆すべきは、プランCが海外での事故に対応しているという点です。
『被保険者が一時的に保険の対象のドローンを海外に持ち出した場合に海外で発生した事故についても補償の対象となります』と説明書きがされているように、プランCのみで対応しています。
DJI商品初年度に付属する無償保険では対象外になるので気をつけて下さい。
対象 | 法人・事業主 |
保険内容 | 賠償保険 |
賠償金額 | 対人・対物 タイプA: 1億円 タイプB: 5億円 タイプC: 10億円 |
免責金額 | 5万円 |
補償期間 | 1年間 |
保険料金 | 対人・対物 タイプA: 12,000 – 16,800円 タイプB: 19,200 – 26,880円 タイプC: 24,600 – 34,440円 |
Mavic Pro、Phantom 4 Pro/Pro(ディスプレイ付き送信機)、Phantom 4、Phantom 3 Professional/Advanced、Phantom 3 Standard、INSPIRE 2 シリーズ、MATRICE 100、AGRAS MG1
法人・事業主向け:賠償保険・機体保険セット
ドローン総合補償プラン/三井住友海上火災保険株式会社
続いては、三井住友海上のドローン総合補償プランです。
三井住友海上火災保険は、エアロエントリーの引受だけでなく独自の保険も持っています。
こちらの保険に関しても、機体保険と賠償保険がセットになっております。
保険料金は合わせて約3.5万円です。
対象 | 法人・事業主 |
保険内容 | 賠償保険、機体保険 |
賠償金額 | 機体保険: 30万円 賠償保険: 1億円 |
免責金額 | 機体保険: 1万円 賠償保険: 1,000円 |
補償期間 | 1年間 |
保険料金 : | 機体保険: 約1.5万円 賠償保険: 約2万円 |
対応機種は次の条件を満たす事業用のドローン
- 総重量(燃料や薬剤、装備品等をすべて搭載した状態での重さをいいます。)150キログラム未満かつ保険金額が10万円以上
- 使用用途が事業用(趣味、レジャー、スポーツ、競技、軍事目的で使用されない。)
- 過去3年間に落下事故等、このプランで補償する事故の罹災歴がない(ただし、更改契約を除きます。)
ドローン保険/あいおいニッセイ同和損保
東京海上日動のドローン保険の特徴は、免責が0円であるという点です。
いざという時に気軽に相談が可能なため、非常に助かります。
対象 | 法人・事業主 |
保険内容 | 賠償保険、機体保険 |
賠償金額 | 要問い合わせ |
免責金額 | 機体保険: 0円 賠償保険: 0円 |
補償期間 | 1年間 |
保険料金 | 要問い合わせ |
対応機種は総重量150kg未満かつ保険金額10万円以上の産業用無人ヘリコプター
ドローン専用保険/損害保険ジャパン日本興亜
損保ジャパン日本興亜のドローン専用保険です。
機体保険が三井住友海上と比較して10万円ほど低くなっていますが、その分保険料も8,000円ほど安くなっています。
対象 | 法人・事業主 |
保険内容 | 賠償保険、機体保険 |
賠償金額 | 機体保険: 20万円 賠償保険: 1億円 |
免責金額 | 機体保険: 2,000円 賠償保険: 0円 |
補償期間 | 1年間 |
保険料金 | 計約27,000円 |
対応機種は事業用ドローン。
まとめ
ここまで、基本的なドローン保険を見てきました。
個人・法人ともに、一年目に『DJI無償付帯賠償責任保険』に加入することがポイントです。
二年目以降は、個人であれば賠償保険をRCKラジコン保険に、法人であれば東京海上日動火災保険の超ビジネス保険に切り替えるという方法をオススメします。
その際には、サポートに関しましても弊社にてお問い合わせを承ります。
機体保険に関しては、DJI無償賠償責任保険とは別に加入する場合、上記の保険を参照の上で自分に合った保険を選んで下さいね。